メッセージ 山田 純

山田 純

クアルコムジャパン株式会社 特別顧問

1.震災への取り組み・かかわり

小生は福島県の出身ですが、福島における震災被害といえば何と言っても放射能被害ではないでしょうか。特に、内部被曝がどれ程深刻な事態を引き起こすのか、諸説入り乱れて大きな不安をもたらしています。

チャルノブイリでの観測データによると、住民の内部被曝が事故の10年後に増加したとの事実もあるとのことで、放射能汚染の影響が如何に長く続き得るかを示しています。

幸いにも、南相馬市立総合病院では、いち早くホールボディカウンターを導入し、市民の内部被曝を大規模にモニターしています。その結果が市のホームページに公開され、市民の安心に大いに貢献しています。
http://www.city.minamisoma.lg.jp/shinsai2/kensa/hibakukenshinkeka2.jsp

多くの住民は、国や自治体が放射能被害に関するデータを秘匿しているのではないかと疑念を持っていますが、南相馬市の取り組みは、自治体が「オープンデータ」を積極的に活用している数少ない事例と思います。また、データが積極的に公開されることが風評被害にも有効な対策になると考えます。

このような取り組みが継続され、他の地域にも広がるように、小生としても出来るだけの支援をしたいと思います。

2.ICTでの震災復興支援の提言。

弊社では、僻地に居住するお年寄りの方々の血圧を遠隔で測定するシステムを無償で提供する取り組みを過去数年間行っています。直近では、岩手県立医大の協力を得て、岩手県沿岸部で仮設住宅に入居している方々へ無線通信機能付き血圧計の貸与を行いました。

取り組みから見えてきたことは、健康管理と孤立対策は一体であるということです。血圧計をお使いになるお年寄りは、健康管理をしてもらいたいというよりは、血圧計を介して遠方のお医者さんや保健師さんと繋がっていることを生活の拠り所にするのです。ICTが色々な見守りや健康管理のサービスを可能にするのですが、結局、孤立化するお年寄りの孤独にどう対処出来るのかがポイントになると思います。

高齢化問題は被災地だけに課題ではありません。しかし、被災地では特に深刻です。被災地のニーズに向き合ったICTの活用は、他の地域でも活かせることは間違いありません。被災地という最先端市場の真っ只中から新しいサービスを発案して行きたいと思います。

略歴

1978年、東京大学工学部電子工学科卒業、松下通信工業(株)に入社。自動車・携帯電話機器やデジタル移動通信システムの開発設計、米国での移動通信システム開発プロジェクトのリーダー等を経て、1995年退社。

同年より、米国アクセスライン・テクノロジーズ(株)の技術部長として、NTT及びNTTドコモとの合弁会社ワンナンバーサービス(株)の設立に参画した。

1998年、クアルコムジャパン(株)の設立に当り入社。標準化活動、新技術開発、新商品企画、通信事業者及び携帯端末メーカーへの技術支援、アプリケーションプラットホーム BREW®の日本導入推進などを担当する。専務(執行役員)を経て、2005年3月に代表取締役社長、2009年3月代表取締役会長兼社長に就任。2012年5月に退任し、特別顧問に就任。