イベント開催報告

イノベーション

イノベーショントラックは、時代を先取りしたコミニティの立ち上げ、
そのためのツール、会社の枠を越えて連携した復興関連活動などのお話を聞くことができ、
新たな気づきを促されれる内容が満載でした。

第1セッションは、青山学院大学 平尾清 氏による、
復興や子供支援などの分野におけるSNSを利用したコミニティ立ち上げ
についてのご講演でした。
思いがある人、アイディアがある人、行動をおこす人、資金を検討する人、
それぞれ別々で活動している人々を繋ぐことが大切というお話がありました。

第2セッションは、TEDx Tohoku 実行委員長 余力悠司 氏による、
TEDx(テデックス) Tohokuの発足などのきっかけや
今後の展開などの発信を独特のスピーチ形式で行う、力強いご講演でした。
地域の魅力についての発信活動なのど紹介がありました。
12月下旬のTEDx Tohokuのイベント予告もありました。

第3セッションは、イートス(株) 木川祥一氏による、
斬新なエネルギー活用方法やエネルギー利用効率を高める
革新的デバイスについてのご講演でした。
一般的な省エネの意識と省エネ行動についての解説と、
利用効率を改善する手法やデバイスについて紹介がありました。

第4セッションは、日経BP 菊池隆裕氏による、
Androidに関するコンテストの紹介、
メディア視点での技術発展の解説などに関するご講演でした。
震災時におけるICTの活躍についての紹介では、ICT技術だけではなく、
最終的には人が判断することで情報が展開された点についても触れていました。

第5セッションは、Open Embedded Software Foundation 三浦雅孝氏による、
Android応用のデバイス群、プロセッサ最適化に関するご講演でした。
数々のデモンストレーションに会場が大変湧きました。
LinuxカーネルをARMプロセッサに最適化するLinaroの紹介などでは、
一目瞭然の差異に会場からも驚きの声が挙がっていました。

第6セッションは、ISPP 会津泉氏による、
情報支援プロボノプラットフォームの活動紹介のご講演でした。
様々な調査や記録から明らかになる点などを紹介頂きました。
震災でダメージを受けたHDDを復旧するお話などもいただきました。

第7セッションは、リコーITソリューションズ(株) 佐藤健氏による、
津波で流され回収された写真をデータベース化し、
持ち主に見つけて頂くというプロジェクト紹介のご講演でした。
この事業は、企業がボランティアとして実施しつつ、
数々の企業がそれぞれの得意分野を持ち寄り運営しているとのことでした。
検索端末設置に偶然居合わせた方に利用していただき、
自分の写真を発見し大変喜ばれたという心温まるエピソードが挙げられていました。

第8セッションは、(株)レレレ 山本大策氏による、
ABC会場内で開催されたCoffee Meetingの速報や、
通常どのように活用されているか、
どのような展開が期待できるかなどについてのご講演でした。
セッション開始前のABC会場内では、70人を越える利用があったとの報告がありました。
利用の多い年齢性別は、25〜35歳の男性が最も多いという報告もありました。

コミュニティ

コミュニティトラックでは日本Androidの会の支部を始め多くのコミュニティからの登壇者が登場しました。
先頭バッターはNFC LABの杉本様、タイトルは「NFCがなぜスゴイ未来なのか」でした。実例を交えた杉本様の講演はとてもおもしろく、
NFCのすごい未来を想像できる講演でした。

次の登壇者は日本Androidの会 四国支部
支部長様、杉本様の講演に続いて、NFC関連の講演になりました。NFCを利用した事例を3作品紹介いただいた後、「ちょこっとNFCアプリアワード」として優秀作品を決める講演でした。NFCの実際の活用事例を肌で感じることの出来る講演でした。

続いて福祉部から加藤様の講演、活動報告の後、視覚障害者向けに入力システムを作成している武藤様からのアプリケーション説明がありました。
福祉向けアンドロイドアプリケーションの進化を感じることができる講演でした。

次の講演は、「NINJA」日本Androidの会
原子力部の河野様の講演。「RRMG:無人偵察機による広域放射線測定プロジェクト」というタイトルで現在作成中の無人機による放射線測定の講演をいただきました。白衣を来た姿が印象的でした。
太田様からは「Android on Raspberry PI」の講演をいただきました。名刺サイズのLinuxパソコンであるRaspberry
PIの最新情報などお伝えいただきました。

日本 Coronaの会からは山本様が登壇されました。CoronaSDKの紹介やアプリケーション事例の紹介の後、サンフランシスコにCorona
Labを尋ねた時の話を興味深く伝えてくれました。
iiizs.comの北川様からは、「だからここでは電話ができない?なら近距離通信だよね?」というタイトルでさまざまな近距離通信の講演をいただきました。
最後の講演は日本App Inventorユーザー会の多田様でした。「世界一簡単なAndroidアプリ作り」というタイトルで、App
Inventorを利用したアプリケーションの講演をいただきました。講演の最後には著書のプレゼントもあり盛り上がりました。

コミュニティトラックは全体的に和やかな雰囲気の中で講演が行われました。

テクノロジ

テクノロジートラックの第一セッション、前半はAOSP(Android Open Source Project)のソース管理の仕組みについて、
(有)シーリス 有山圭二 氏にお話頂きました。Androidのオープンソースプロジェクトについて一歩深く知るいい機会となりました。
後半は岩手県におけるスマートフォンアプリ開発研修の取り組みについて、(株)イワテシガ 田中充 氏にお話頂きました。
地方もデバイスの変化に適応を進めている、現状を知るいい機会となったのではないでしょうか。

第二セッション、前半は311まるごとアーカイブスによる被災地の過去・現在・未来を記録する取り組みを、
311まるごとアーカイブス 小島誠一郎 氏にお話頂きました。過去に学び未来へ繋げていくには記録することが大事ですね。
後半はAngry Birdsの変遷について、フィンランドからお越し頂いたRovio Entertainment 日本代表 Antti
Sonninen氏にお話頂きました。
Antti氏のお話は経験に基づくお話に加え、Rovioのイノベーション哲学にも触れていて、良い刺激となったのではないでしょうか。

第三セッション、前半はクラウドxモバイルの取り組み事例を、アンデックス(株) 高橋和之 氏にお話頂きました。
仙台企業のクラウドxモバイル事例は参考となったのではないでしょうか。
後半は情報セキュリティのこれまでとこれからについて、(株)Sola.com 高橋洋人 氏にお話頂きました。
デバイスと共に変化する情報セキュリティの今後について考えるいい機会となったのではないでしょうか。

第四セッション、前半はAndroidのスレッドの基礎について、江川崇 氏にお話頂きました。
Androidのスレッドの仕組みに一歩踏み込み、よりAndroidプログラミングに興味が湧いたのではないでしょうか。
後半はAndroidとHTML5で変わる組み込みの世界について、渡辺知男 氏にお話頂きました。
iE(Information Electronics)やWeb技術(WebSockets、WebIntentsなど)により広がる家電の可能性を感じました。

テクノロジートラックは、「テクノロジー」の枠に収まらない幅広い内容となりました。
デバイスや技術の変化によるイノベーションで、自分の身の回りの社会はどんどん変化していきます。
可能性は少し手を伸ばせば届く未来にあるので、過去に学び未来を見据えて、ひとつひとつ可能性を掴んでいきたいですね。