メッセージ 樋口 泰行

樋口 泰行

日本マイクロソフト株式会社  代表執行役 社長

1.震災への取り組み・かかわり

東日本大震災で被災された皆様に、改めて心よりお見舞い申し上げます。未曽有の大震災より 1 年半以上が過ぎ、被災地の皆様、多くの支援者の皆様の懸命なご努力でようやく復興への歩みが始まりつつあります。
私たち日本マイクロソフトも、震災発生直後から、政府・自治体、NPO、パートナー企業と連携し、クラウドの活用や被災地への PC の提供等、復旧活動をご支援してきました。現在も被災地の復興に向けて、東北三県(岩手・宮城・福島)における就労支援や生活の質向上、中小企業の事業再生支援などにおいて、ICT の側面からサポート活動を展開しています。

私自身も被災地の沿岸部の仮設住宅に高齢者の方々をお訪ねし、また復興に携わる自治体、NPOの方々と意見交換させていただく機会を頂きましたが、それは正に被災地の課題解決に貢献してゆく決意を新たにした経験となりました。
今年度日本マイクロソフトは被災地との復興連携の一歩として、岩手県様と「地域活性化協働プログラム」で提携し、「IT人材育成サポートプログラム」「NPO基盤強化プログラム」「高齢者向けICT活用推進プログラム」「教育分野人材育成プログラム」の4つの施策に取り組みます。

2.ICTでの震災復興支援の提言

被災地における復興の課題は公共インフラの再生、地域産業と雇用、医療体制、コミュニティ、教育など多岐にわたります。仮設住宅を訪問させていただいた際、ICTを利用して人とコミュニケーションできる環境ができるだけでも、人々の生活そのものが変わり、精神的にも支えになりうることを感じました。ICTはまた、沿岸部と内陸部の物理的距離や時間的距離の問題も解決します。
ICTを活用することで距離の問題を克服し、地域が活性化したり、人々が生き甲斐を見いだしたり、やりがいを持つといったことが可能になります。そこでは情報を発信する側も受け取る側も、一定のスキルを持つことによって、より効果を生み出すことにつながります。したがってインフラの構築やICTスキルの育成に加え、利活用にまで踏み込んだ支援を行っていくことが大切と考えています。

略歴

1957 年
兵庫県出身
1980 年
大阪大学工学部 卒業
松下電器産業株式会社 入社
1991 年
ハーバード大学経営大学院 卒業
1992 年
ボストンコンサルティンググループ 入社
1994 年
アップルコンピュータ株式会社 入社
1997 年
コンパックコンピュータ株式会社 入社
2002 年
日本ヒューレット・パッカード株式会社とコンパックコンピュータ株式会社の合併にともない、日本ヒューレット・パッカード株式会社 執行役員 インダストリースタンダードサーバ統括本部長
2003 年
日本ヒューレット・パッカード株式会社 代表取締役社長 兼 COO
2005 年
株式会社ダイエー 代表取締役社長 兼 COO
2007 年
3 月 マイクロソフト株式会社 入社
代表執行役 兼 COO
2008 年
4 月 1 日 代表執行役 社長
兼 マイクロソフト コーポレーション コーポレートバイスプレジデント 就任